そして、人を喜ばせている人は共通して「人に感謝することを忘れない人」です。感謝できる人は、どんなにたくさんの人やものに支えられて生きているかを自覚しています。
人に感謝できる人は幸せです。人に感謝する人には、相手を大切にする優しい心があり、自分に対する謙虚さがあるからです。
だからこそ本当に幸せになりたいのであれば、「自分の幸せと他人の幸せを両立させること」が必要なのです。喜んでくれる「あなた」がいるから、自分が幸せになれるのだとしたら、周りが全員不幸でもよいという論理は成立するはずがありません。
他人の幸せを願うことは、例えば暗い洞窟の中、他者のためを思って、その人の前をたいまつで明るくするようなものです。他者のためを思ってしたことで、結局自分の前をも明るくしているということに似ています。
先ほど述べた「人を傷つけることが幸せと思うならやってもいいんですか」という子どもからの問いに対して、今の私ならこう答えるでしょう。
「それをやることで不幸せになる子がいるなら、やめた方がいいんじゃない。誰かの犠牲のうえに成り立つ幸せじゃなくて、誰かに喜んでもらえる幸せを目指していこう」と。
私はこの3つを子どもに感じてもらうことを意識して全ての教育活動を行っています。それ以上は、「ちょっとおこがましい」と思ってしまうのです。
教師はいわゆる「神」のように、「洗脳」のように、思うがままに子どもを変えることはできないと思いますし、そうするべきではないと思うからです。子どもがのちの人生で必要だと思えば、自分で考えて思想や習慣を身につけていけばよいのです。
最後に、「自らの意志による幸せ」をつかむために個人的に必要だと思うことを挙げていきます。幸せとは、人と人、人とモノ、人と出来事とが、互いに影響しあって生まれるものだと考えるからです。さて、「子どもの幸せ」みなさんはどのように考えましたか。