第2章 社会
総量規制なら理解
「眠られない。薬がなくなってしまいました。夜中の2時に起きてしまいます。薬を下さい」。こんな患者さんが増えてきました。新しい規制によりエチゾラムなどの抗不安薬の長期処方ができなくなりました。
そのため眠られない方や不安感などで内服されている方は、処方された薬が無くなると再受診し処方をして貰うことになります。内服しての車の運転による事故の問題、常習性、依存性などの問題から抗不安薬の長期処方の規制がかかったと思います。
エチゾラムは比較的問題が少ないとしてこれまでは長期処方が可能でした。でも他の数種類の同種薬剤と共に規制されることになったのです。
でも解せないことがあります。エチゾラムは1日に3回の内服が可能な薬剤です。しかし規制では3回処方も、1回処方も同じように処方日数が1か月以内となっていることです。
言い換えれば1日1回の処方の場合は30錠しかもらえませんが、1日3回処方なら90錠となります。それを1日に1回だけ使用すれば90日の使用が可能となります。そう考えると1日1回30錠までの処方制限は意味があるのかと疑問に思えてきます。
エチゾラム以外の同類薬の場合も同じです。もし本当に規制をするなら1か月に使用する総量で規制するべきでしょう。地域医療の再編の中で田舎では身近な医療機関が減っています。さらに高齢者の交通事故の増加の中で高齢者への免許証の交付条件が厳しくなり自主的返還も勧められています。
しかし地域の高齢者の中には「通院のために車がどうしても必要なんだ」と言われる方も多い。現在中津川市でも再編計画の中で化石医師が勤務する坂下病院を診療所化し入院医療を市民病院へ移管、また内科以外の他の科も市民病院へ集約する計画が進められています。