第2章 子どもの能力を伸ばす方法

“知りたい”が“質の高い気付き”に繋がっていく

子どもの“知りたい”を育てることが、幼児教育では最も大切​

子どもの“学び”は、知りたいから始まります。見る、触る、聞く、嗅(か) ぐ、舐(な) める、これらはものを知るためのアクションです。

「いないいないばあ」に反応すること、見えたものを触ってみること、踏切の音に耳を傾けること、ミルクの匂いを嗅ぐこと、おしゃぶりを舐めること、これらは、すべて興味から始まります。おもちゃを舐めるのは汚い、と思ってしまいますが、舐めるという行為は、赤ちゃんの成長のうえでとても重要なものなのです。物を舐めることによって、その物がどんな物であるかということを確認しているのです。

大人は経験上、見ることで硬さ、危険性などを判別できますが、赤ちゃんは舐めることでお気に入りのものを選別しているのです。もちろん、衛生的でないものはよくありませんが、赤ちゃんは雑菌を口に入れる際に、体の中で抗体を作っていきます。

砂や土に触れた方がいいというのは同様の理由です。ただ、誤飲に注意し、おもちゃは口に入れても安全なサイズのものにしましょう。

また、泣いている赤ちゃんに怒っている親御さんを時々見かけます。周りに迷惑をかけたくない気持ちはわかりますが、怒って解決するケースは少ないです。それどころか、子どもの主体性を閉じ込めてしまうことになります。

怒るのではなく、抱っこ、おしゃぶり、「いないないばあ」など、子どもを静かにさせるテクニックを活用しましょう。小さい頃から赤ちゃんとの対話を増やすことで、“質の高い気付き”を育ててあげることが大切です。

ここがポイント
子どもの行動意図がわからないこともあると思いますが、多くの興味がさまざまな行動に繋がります。知りたいという気持ちは、否定しないことが大切です。危険が伴うこと以外は、できるだけ見守ってあげるといいと思います。