第2章 なんとか一つの山を乗り越えた

その9 職場復帰へ向けて
─やりたいことがあるって素晴らしい─

2016年も4月の末になったころに、主治医の先生から「新幹線や飛行機には乗ってもいいですよ」と言われたので、この年のゴールデンウィークの3日間で東京に行ってきました。

新幹線に乗って長い距離を旅するのは、白血病を発病してから初めての旅行になりました。マスクや手洗いなどに気をつけながら、東京の家族や元同僚に会いに行く旅に出かけました。

東京に着いた翌日の夕方には、東京の私立学校の元同僚の先生方と会う機会があり、国分寺の豆腐料理のお店で一緒に食事をしました。

これまでの入院の経過や退院から現在までの様子などを話して、これまでいろいろな方からの励ましによってここまで来られたことを感謝しました。

その翌日には、母親のお墓参りに行って来ました。八王子の霊園は天気が良くて、新宿の高層ビルまで見渡せました。また、この日は暑くて、まだ5月初旬なのにセミが鳴き始めていました。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰りの新幹線から富士山がよく見えていました。やっぱり旅行はいいなあ。

東京で元気をもらえたからか、5月はなかなか精力的に活動できました。

5月8日は久しぶりに自転車でトレーニングをしながら嵐山のカフェに行ってきました。嵐山の渡月橋の近くにある「アラビカ京都嵐山」というカフェに行くと、天気も良かったので多くの観光客の人が並んでいました。

この店は、もともと東山にあるお店の2号店で、店内のロースターで豆を自家焙煎するカフェです。そこで、アイスカフェラテとオリジナルブレンドのコーヒー豆200グラムを買って帰ることにしました。チョコレートのような風味のおいしいコーヒーでした。

5月13日には、琵琶湖の南湖を一周するコースをサイクリングしてきました。琵琶湖の東側にある「道の駅・草津」からスタートして、琵琶湖の東側にあるサイクリングロードを北上。琵琶湖大橋を渡り、琵琶湖の西側を南下して、途中の満月寺の浮御堂を見たりしながら、近江大橋を渡ってもとの場所に戻ってきました。距離は42キロメートルで時間は2時間30分かかりました。

これまでの自転車トレーニングや自宅の周りを散歩したり、ご飯づくりや掃除・洗濯などの家事をこなしたりしていくなかで、体力が入院前のように少しずつ回復していることが自分でも実感できるようになりました。