講座の秘書を一方的に理由も告げずに権田理事長に解雇された。

その不当な行いに対して理事長室に抗議に行ったが、話を聞く気など毛頭なかった。

むしろネコがネズミをいたぶるみたいに楽しんでいる気配すら感じた。あの時の理事長の不気味な笑い顔を思い出した。

この警察捜査も理事長の仕業であろうと感じた。どんな方法を使ったか知らないが、警察まで動かして脅しをかけてきたのだろう。事態を理解すると少し気持ちが落ち着いてきた。

長い時間、同じ姿勢で座っていたため腰椎が悲鳴をあげてきた。

「すみません。決して、反抗している訳ではないんですが、今朝からギックリ腰で座ってると辛くなるんです」梅澤は、ソファーから尻をゆっくり滑らせ、足を投げだしながら言った。

「……」三井は何も言わない。

刑事達は、何か詐欺の証拠になりそうなものを探しているのであろう。梅澤は、この茶番を少しでも早く終わらせたかった。

「あっ、本棚のそちらの方は、全部、論文のコピーです。テーマごとにまとめてあります。研究費申請書や講座の会計書類などは、全部、そっち、右の方の棚にあるファイルにまとめてあります」本棚に向かっていた3人の刑事が振り返った。

 

👉『ユーレイズミーアップ[文庫改訂版]』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】雨でずぶ濡れの女を家に上げた。脱衣所に散乱した下着を見て、パンティーを出してやるのを忘れたことに気づき…

【注目記事】「僕らは相性がいいかもしれないな」——「ためしたら?」と言うと彼は、「僕の可愛いお嬢さん。いけない子だなぁ」と言って…

 

ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp