最初はひんやりとするだけですが、長く氷をなめていると口のなかが痛くなってきます。口内炎も痛いけど、氷も痛くてどっちが良いのかわからなくなります。
でも、移植までには口内炎もできていなくて、とりあえず順調に経過していました。
12月8日、私の白血病治療の最終段階である「造血幹細胞移植」が行なわれました。「移植」といっても大がかりな手術をするわけではなく、ドナーさんからいただいた「造血幹細胞」を輸血のように血管を通して私の血液に注入するのが主な作業になります。
そうはいっても、一番大事な治療行程であり、また拒絶反応など何が起こるかわからないので、担当の医師がつきっきりで観ていてくれますし、心拍数や血液中の酸素濃度や呼吸回数など機械で細かく記録をとりながら進めていきます。
また、今回の「造血幹細胞」は当初の予定量よりも多かったので(多いことはよいことです)、午前の1時間(4パック輸注)と午後の1時間(4パック輸注)に分けて行われました。
こうして特に拒絶反応もなく、順調に無事に移植を終えることができました。あとは、2週間くらいかけて無事に定着してくれることを待つのみです。
ただ一つ、お昼休みにちょっとしたハプニングがありました。午後の輸注のため病室に入ってきた医師が、
「お昼休みに何かありましたか?」
と聞いたので、
「心拍数が、急に120以上になったことですか?」
と、最初はとぼけましたが、私は言いづらいことですが本当のことを答えました。
「実は、昼にうとうと寝ていたら、ウンチを少し漏らしてしまう夢を見て、それを現実と勘違いして、ベッドから飛び起きて、新しいパンツを棚から取り出して、トイレに駆け込んで、はき替えようとパンツを下ろしたら、あれ?? 何もない!! そこで、夢だったことに気がついたんです」
みんなで大爆笑でした。