第2章 なんとか一つの山を乗り越えた

その6 姉からの末梢血移植
─骨髄移植の一番の近道─

「造血幹細胞移植」が行われてから1週間が経ちました。

このころ、血液検査の結果は白血球・赤血球・血小板が過去最低の数値になっていました。これは、移植前の強い抗がん剤による影響で、移植治療のなかでは「当たり前に起こる反応」だそうです。

ただ、副作用である「強い吐き気」や「全身のだるさ」はこの1週間も続き、ほとんど毎日寝たきりの生活をしていました。

辛かったのは、吐き気がしてトイレに駆け込んでも、何も食べていないので口から出てくるのは少量の胃液のみだったことでした。

「何も食べてないのに吐きたくなるなんて! なんでや!(なぜか関西弁)」

そんななかで、12月11日の金曜日の夕方に、病棟内の食堂で「クリスマス・キャンドルサービス2015」が行われていたので、看護師さんからの了解を得て見に行ってきました。

京大・医学部学生のコーラスグループによる合唱や元入院患者の方のミニコンサートなどがあり、最後には看護師さんから一人一人にメッセージが書かれたクリスマスカードの配布がありました。

こうして、移植した造血幹細胞の「生着」(私の骨髄のなかで正常に活動を開始すること)までは、この日から1週間ほどかかりましたが、いろいろな方々の応援をいただいてなんとか健康な体に戻れるよう頑張っていくことができました。ありがとうございました。