太平洋の島国、フィリピンは初めてだった。空港まで彼女が運転して迎えに来てくれた。
「ようこそ、わたしの母なる国へ」
彼女は眩しい太陽と青い空をバックに、笑顔で亜美のトランクを手に取ってくれた。
空港を出るとすぐに、活気の溢れるマニラ市内へと車が入っていった。
「あの人がラプラプ王という人、知らないでしょ?」
銅像を指さしながらアリサは笑った。
「ごめーん、知らない」
亜美は確かにこの大切なアジアの親友の国のことを、はるか海のかなたのアメリカやヨーロッパのことよりも知らない。
「あの人はね、アジアで初めて西洋人に立ち向かった人なのよ」
「えー?」
ポルトガル人であるマゼラン率いるスペインの船がこの地にやってきたのは1521年。
彼らがこの平和な島々を発見するずっと前から、フィリピンには何百万人ものマレー、インドネシア系の人々が静かに暮らしていた。
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