工業高校に入ってからも、サトルは相変わらず悪い仲間とつるんでは警察沙汰を起こした。両親はオロオロしながらも、為す術がなかった。
そんなサトルがプロのカメラマンを目指し、写真スクールに通い始めたのは十八歳のときだった。世界中の湖を見たいから。それがカメラマンを夢見た理由だった。どうして湖に興味を持ったのかは、サトル自身もわからなかった。
ただ世界中の湖を見たいという気持ちを、サトルはどうしても抑えることができなかった。世界を回るお金などあろうはずもないサトルにとって、プロのカメラマンになることが夢を達成する唯一の方法に思えた。有名なカメラマンになって、世界中の湖の写真を撮る。サトルにとって、その第一歩が写真スクールだった。
「オレはプロのカメラマンになるから、写真スクールに行きたい」
サトルの言葉に両親は諸手をあげて喜んだ。このまま大人になったらどうなるのかと、息子の将来を心配していた両親にとって、サトルが自分の意志でカメラマンという夢を見つけたことが、何よりも嬉しかった。
▶この話の続きを読む
墓に埋まっているのは、自分の一部かもしれない…スコップを骨壺にカチンと当てる。大きな骨の塊を拾い上げ、靴跡を丁寧に隠し…
【イチオシ記事】どのような経緯で二人きりになったのか、どうしてホテルに行くことになったのか覚えていなかった
ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp