客先の話では、槽電圧は、高々7Vという事でしたが、現実は15Vにも達する事が判明しました。

トランス絶縁の部分が過電圧で、焼損して内部短絡を起こし、リレー回路に直列に挿入したフューズが、リレーに切り替わるごとに飛んでいました。

300個のフューズが6秒で、総て切れてしまいます。個々の切れたフューズの修理は、2人で1日掛かりました。

現場は2人では手に負えないので、本社にSOSを出し、リレーとトランス絶縁器の間に、過電圧防護回路を入れる事になり、本社で急ぎ製作したものを急送してもらい、追加しました。

これで解決とは行かず、前々からの別の課題が残っています。

毎日作業終了後、コンピュータに自己診断プログラムを読み込ませて実行させて帰っているので、翌朝現場に着くと、誤動作を知らせる赤ランプが3日に一度は点灯していました。コア・メモリが誤動作していたのです。

現地では手の施しようがないので、またまた本社にSOSです。メモリの担当者が色々調べたら、メモリ駆動用トランジスタが怪しいとの事。

トランジスタの販売元の重電H社に調べさせたところ、なんとトランジスタ内部の半導体チップの接合面と、金細線とのボンディング不良との事。

何でも、作業者の女性が体調不調で作業に集中できず、数千個のロット不良が頻発したそうです。無償で良品を送るから、それで勘弁してくれとの事。

三日掛かりで全数交換し、ようやく問題解決です。こんなトラブルが続き2か月半も現地に缶詰状態でした。

HOC521は、何故かこの1台だけの出荷で終わりました。小生としては色々苦労しただけに残念無念です。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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