はじめに

このエッセイは、前半の長編1編と後半の短編4編で構成しています。

前半は、小生のコンピュータ・ハードウェア屋としての53年におよぶ職業人生をつづったものです。

大学1年生の1959年に、真空管を使ったコンピュータを初めて使いました。社会人として、長い会社勤めで、吸収合併も経験したり、事業部全体が甲府に大移動するなどを経験しました。

52歳の時、不景気でリストラの嵐が吹き荒れ、自ら探して筑波の会社に出向しました。

定年後は、SOHO(スモール・オフィス・ホーム・オフィス)を立ち上げ、一人社員の青色申告業者として、二つの会社の新製品開発に従事しました。

このような波乱万丈の会社人生を、包み隠す事なく物語にしました。

ハードウェアとは、コンピュータの「金物」という意味で、物理的に実体のある物、即ち、LSI(大規模集積回路)、プリント基板、液晶ディスプレイなどを筐体に纏めたもので、皆さんがお手持ちのパソコンが代表例です。

ハードウェアに相対する言葉として、ソフトウェアがあります。強いて訳せば「やわもの」になります。具体的には、プログラムの事です。

コンピュータは、四則演算、論理演算、数値判定(大、小、同値)、判定結果による行先切り替えなどの幾種類かの命令語というごく単純な機能を高速で実行するに過ぎません。

この命令を巧みに組み合わせて所望の機能を実現させるのがプログラム、すなわちソフトウェアです。

コンピュータは、そのままでは唯の箱で、なんの仕事も出来ません。ソフトウェアあってのハードウェア、逆にハードウェアあってのソフトウェアなのです。

後半は、一転して遊びの話です。南アルプスの甲斐駒ヶ岳に三回挑戦して、三度目の正直で登頂に成功したという2編のエッセイと、アルフォンス・ミュシャの展覧会を楽しむ一編と、敬愛するアマデウス・モーツァルトに捧げる一編です。

日頃の仕事のストレスを解消する記録です。