◆

「にゃんこちゃんって呼んでもいいか?」

「私のこと?」

「あんたやねんけど、あんたの、そこのことを」

「なぜ?」

「あったかくて、毛がふわふわで、猫みたいやから」

3 熊の手を借りる

 

特に前置きもなしに、彼は話を切り出した。

「部屋を借りたから」

「引っ越ししたの?」

「いや、うちとは別に借りた」

「何のために?」

「あんたのためやで」

「私の?」

「言ってたやろ、俺の部屋がいいって」

確かにそうは言った。言ったけれど、だからといって別の部屋を借りるなんて、そんな。

一体どれくらいの費用がかかるのか。気が遠くなりそうだった。

「あなたの部屋では無理なの?」

「まぁ事情があるんや」

「でも、そんな借りた部屋に連れていって、鍵をかけてしまって、例えばあなたの友達を呼んだりされたら、私は手も足も出せないわけでしょう?」

「そんなに俺のことが信じられんのか?」

「まだ分からないよ、それは」

「もし何かあったら警察を呼ぶしかないんやろうけど、俺にはそんなつもりはないんや」

「そう言われても、信じられない。いきなり相談もなしに、勝手に決められたみたいで」

なにしろ突然すぎる。一緒に物件を下見に行ったわけでもないし。

「相談したつもりだったんや」

「そうだったのかも。気づかなかった。その点に関しては、ごめんね」

 

▶GLO限定企画:21時から3時間だけ開く「夜の書斎」──。
大人の女性のための、激しく濃厚な恋愛作品を毎晩こっそり更新します。
特集ページに戻る

▶この話の続きを読む
彼氏に肩から顔、唇へと順番に触れられた…「じゃあ…ここはどう?」と何度も確認されながら、指を入れられて……

👉『バニーガールの夜』連載記事一覧はこちら

 

ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp

感想を送る
 
 
✕ 閉じる