私の専攻としている昆虫はカミキリムシなのですが、主に枯死木に産卵するため、木材が積んであるような材木置き場などに飛来してくることから、そのような場所があることを願っていました。

ここは山地のため、きっとどこかにあるはずと周囲を散歩していると、「……ってめっちゃ目の前にあるやん!」と、思わず声を出してしまいました(写真12)。

写真12 旅館近くにあった材木置き場

旅館の横が木材加工場で大きな木が積んであったのです。

すかさず飛んでいき加工場で働く人たちに話を聞いてみると、やはりカミキリムシやクワガタムシのことをよく知っていました。

その話を聞くだけで、もう私の心は舞い上がってしまったのですが、ここからが仰天の始まり!

その加工場をウロチョロしていると、電灯の下に何やら「大き目の平たくて黒い物体」が転がっていました。

ちょっとここで一緒に「昆虫式」で計算してみましょう(その「式」って何でっか?ですよね)。

「材木置き場」+「電灯の下」+「大き目の平たくて黒い物体」=?

一体答えはなんでしょうか?

10ⅿ先くらいでしたが、(これはほぼ間違いなく甲虫の何かやけど、ノコギリカミキリかクワガタムシの仲間やな!)と思い、近づいてみると大きな大顎に一対の立派な牙が見えました。

(あ、やっぱりクワガタムシや!)

私はおもむろにそのひっくり返ったクワガタムシを手にとった瞬間、なんとその「輝き」と「重み」で腰が抜けてしまったのです。

その全貌が明らかになった時は、まさに時間が止まったかのように思われました。

そして次の瞬間、自分でもよく分からないような声で、「うわ! これ! え? マジで? これってあれやん! あれあれあれあれ、そう、あれやん!」と、叫んでいたと思います。

「そいつ」はどれだけ多くの子どもや大人たちに夢を与えてきたのでしょうか?

大人も含めて虫好きなら必ず憧れる天然産のクワガタムシ!

そうです。

昆虫界の大帝こと「オオクワガタ様」だったのです!(写真13)

写真13 拾ったオオクワガタ

皆さん、あまりにも驚いた時にはこんなにも有名な昆虫の名前さえ忘れるものです。

私は人生で初めて天然のオオクワガタを捕まえました。いや、拾ったか(笑)。

しかも「朝鮮の、妙香山の、川辺にある旅館の、電灯の下で、ひっくり返ってたやつ!」を初日にです。

皆さん、冷静にもう一度考えましょう。

 

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