『プロのシャワーの仕方』【みつき】

人に体を洗ってもらうこと。これって、大人になるとなかなかないことだから、女風ならではのサービスだと思う。泡越しに触れられるKくんの手の感触。優しく私の体の隅々まできれいにしてくれる。

「みつきさん、壁に手をついて足を少し広げて」

と言われ、Kくんの手が私の大切な部分に触れた。本当に触れたという感覚。触れ方はとても色気のあるものだった。

「んー」

と思わず声を出してしまった。すると何かスイッチが入ったかのように、彼は両手を使って、背中をさわさわと優しく触り、腰、お尻そして乳首へと指を這わせる。

〝多分私はすでに濡れているだろう〟

ある程度触るとシャワーでソープを流してくれた。手を取ってくれて湯船に浸かる。

温かい。優しい。心地よい。

「暑くない? 上がろうか」

バスタオルで私の体をポンポンと優しく拭いてくれた。

足を拭いてくれるときには、身を屈めてバスタオルで拭いてくれるのだけれど、私はこの男性を見下ろす感じはあまり得意ではない。なんだか申し訳ない気持ちになってしまう。

けれど、これが彼らのサービスなのだからと割り切ることにした。

そして、バスローブを羽織り、ベッドに腰をかけ彼が体を拭き終わるのを待つ。

「歯磨きしてなかったね」

とKくんは大きな黒のバッグから、歯磨き粉を出した。

「ホテルの歯磨き粉はまずいから苦手なんだー」

歯磨きを一緒にする。

これ、女風あるある。歯磨きとシャワーをしないとさまざまな触れ合いが始まらないから、並んで一緒に歯磨きをする。

私はプライベートでもキスはいいとしても、行為はシャワーを浴びてからじゃないとしたくない。

ただ、付き合っている彼と並んで歯磨きをするという経験はあまりない。それぞれのタイミングで磨くのが当たり前で。だから、セラピストさんと並んで同時に歯磨きするというのは、なかなか滑稽な感じがする。

きれいきれいしようねーという感じで、面白い絵面。うがいまで済ませると、彼は私をベッドへと誘導した。掛け布団は剥がされていた。

「うつ伏せに寝てね」

と言われる。

いよいよマッサージの始まりだった。

 

「もっと深く、もっと激しく――大人の恋愛ピックアップ」は今回で最終回です。

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