冬の夜は寒さが我慢できず、智子ママの布団に潜り込む。枕もとでモゾモゾしていると、智子ママはすぐ布団を持ち上げて、はいどうぞと、優しく中に入れてくれる。

智子ママの腕枕で仰向けになって伸び伸びと両手を広げ、大の字になって寝ると気持ちがいい。

まるで人間みたいねと、智子ママはそのまま一緒に寝てくれた。僕は喉をゴロゴロ鳴らした。

その後も、僕の家族たちは平穏に暮らしていた。

僕が順調に成長して五歳になった頃、芳江さんは、会社勤めをして知り合ったボーイフレンドとのデートで忙しそうだった。

もう僕にはすっかり興味を無くしたようで、ロッシーと呼ぶ声も、めったに聞けなくなってしまった。

僕だって、もう大人になったのだ。いつまでも甘えているより、自由に外の世界で遊んでみたいという冒険心が湧いてきた。

春のある日、智子ママが玄関を開けていた隙に外に飛び出した。

家の周りを恐る恐る散歩していると、広い空からは小鳥のきれいな声が聞こえてきて、春風が爽やかだった。隣の畑のほうに行って、土の上でゴロンゴロンと転がってみた。草や土の匂いが新鮮で、菜の花やカタバミの花も咲いていた。

外の世界は何て楽しいのだろう。しばらく遊んでから家に帰った。