【前回の記事を読む】公認と臨床、両方を取るのは当たり前だと思っていた…だが学生には重すぎる現実……優秀な人ほど苦しむ“資格取得”の見えない負担

第1章 国民の心理職資格への混乱 ~こころの相談を誰に託すのか

インタビュイー2(IE2) 臨床心理学専攻の大学院生女性(23歳)

 

心理職の待遇が一向に上がったように見えないのは、心理学界が内輪もめばかりしていたからだ、と聞いたことがあります。

 

また先輩から、臨床心理士が国家資格になる筈だったのに政治力で潰された、と聞いたことがあります。先生方、それも偉い先生になると、臨床心理士の話題は腫れ物に触るような扱いに見えます。臨床心理士が道を間違えて、国家資格になりそこねたのなら、いきさつを知っておきたいですね。

 

将来は不安ばかりです。貴重な時間とお金をかけて公認心理師と臨床心理士の資格を取ったとしても、公務員や大手企業に就職しない限り、ほぼ非常勤でしょう? どうして国家資格を取っても、安定した職に就けないのでしょうか。

 

先輩方には、「まずこれを取って、こうやって就職して、余裕があるならこれを取って、結婚や出産にはこう備えて…」というキャリアパスを示してほしい。私はまだチャレンジできるけど、途中で諦めざるを得ない人がたくさんいるんです。

 

今の心理学界隈は、自由にモノが言えない雰囲気があるかな……いろんな派閥があって、偉い人の前で「地雷」を踏まないよう、みんなビクビクしてますよ。誰だって目を付けられたくないもの。情報が少ないし、今回の出版企画を聞きましたが、臨床心理士のことを、あからさまに語っちゃって大丈夫ですか? もし本として出せるものなら読んでみたいですけどね。

まず今回のIE1の方(実際は複数の方々ですが、一人の人格と見なしてこう記述します)にとって、カウンセラーに触れたのはスクールカウンセラーでした。スクールカウンセラー制度は1995(平成7)年に文部省の事業として開始したもので、これは徐々に拡大され2008年度から原則、全公立中学校への配置へと推移します。

この世代の方々は、スクールカウンセラーが学校に浸透した時期以降に学校生活を送っていますから、それも当然でしょう。