【前回の記事を読む】「臨床心理士」は数多い心理系資格の中でも知名度が高く、高度な専門性を目指してきた資格だが、実は国家資格ではない
本書においては、臨床心理士の「個人」と「制度」の両方に言及しますが、「制度」を強調する際は、「臨床心理士」と「 」内に入れて表記いたします。
第1章 国民の心理職資格への混乱 ~こころの相談を誰に託すのか
このインタビューは2025年4月と8月、東京都内と福岡市内において、複数の方を対象に行ったものを、個人情報秘匿のため組み合わせて構成したものです。
インタビュイー1(IE1) 心理学教育を受けていない女性(23歳)
カウンセリングとの出会いは、小中学校でのスクールカウンセラーでした。相談に行くことはありませんでしたが、同級生が通っているのは知っていました。
「よく話を聞いてくれた」と好意的にとらえる人と、「話を聞くだけで何もしてくれなかった」という人に分かれましたね。
高校生になると、相談ごとは友達や先輩にするようになりました。スクールカウンセラーは「学校の人」ですから、学校での悩み事はなおさらしません。
やがて相談相手は「占い師」になりましたね。占い師は「こうしたほうが良い」と断言してくれるので、言うとおりにしなくても、自分で決める材料になりました。
カウンセラーは「話を聞くだけの人」というイメージがありましたから。
カウンセリングって、結局なんなんですか? カウンセラーは知識を持ってないと困りますけど、たくさんいるから、何を基準に選べば良いか分からないですし。カウンセラーといえば臨床心理士ってイメージはありますけど。
何年か前に、有名女優さんが公認心理師役をされた映画を見て、臨床心理士が公認心理師になったんだと思ってました。
今後、こころの問題で悩んだらカウンセラーの所へ行くか…ちょっと分からないですね。
最近はAIカウンセリングっていうのもありますし、ネットで気軽に相談できる人も多いですから。
さっきも言いましたが、臨床心理士だか公認心理師だとか、ほかにも何とか心理士って多いじゃないですか。素人には、どこに行ったらいいのかなんて分からないですよね。
病気になったら医師のところに行くし、法律問題で困ったら弁護士じゃないですか。
カウンセリングに来てほしいなら……って上から目線でごめんなさい、「こころの問題は〇〇へ」って決めてほしいですね。