【前回記事を読む】大型倉庫を点検すると、消火器は十分にあるはずだった…しかし図面に落とすと、命を守るはずの消火器が……
第2章 最強の消防設備士への道
最強の消防設備士たる5つの要件
CASE 2 消火器の能力単位がゼロ?!
能力単位とは消火器の消火能力を数値化したものである。最も流通している粉末10型消火器の能力単位は「3」。この能力単位の数値が建物の延べ面積(又は床面積)に応じて必要な能力単位以上となるよう、消火器は設置される。
とある学校の点検時のことである。特別教室棟の理科室フロアには二酸化炭素消火器だけが設置されていた。二酸化炭素消火器の普通火災に対する能力単位は「0(ゼロ)」。
粉末や液体の消火剤では機械類を損傷させる恐れがある場所では“付加設置”として用いられることが多いが、能力単位が0(ゼロ)である以上、学校においてそのフロアに必要な消火器とはなり得ない。にもかかわらず、この状況で前の点検業者の消火器点検票の判定は「良好」となっていた。
CASE 3 誘導灯の警戒距離が足りない
とある事務所ビルの点検時のことである。廊下に設置された通路C級誘導灯の警戒可能距離は10メートルであるにもかかわらず、この誘導灯が警戒しなければならない廊下の長さは12メートルもあった。
また、事務所内に設置された避難口C級誘導灯の警戒可能距離は15メートルだったが、誘導灯のある入り口から奥まで18メートルもあった。
この警戒距離が不足している状況にもかかわらず、何年もの間“不適なし”と点検報告されていたようだ。後日行われた消防署の査察でも、廊下の通路誘導灯が警戒できていないことが指摘されたという。