はじめに
なぜ、会社のAI活用は「停滞」するのか
ChatGPTが世界中で一般公開されたのが2022年11月30日。つい最近のことのように感じられますが、気づけば相応の月日が経過しています。ChatGPTの登場以来、さまざまな生成AIが次々とリリースされてきました。現在も、汎用的なものから特化型のものまで、新たなAIツールが日々生まれ続けています。
「弊社の従業員の約95%が生成AIを活用しています!」
各メディアやSNS、ビジネスの現場でも、生成AIに関しての情報であふれ、こういったプレスリリースなども目にすることも増えました。さらに、各AIツールの進化スピードは凄まじく、大きな変化があり、その数カ月後には、また大きなアップデートが入り、昨日できなかったことが今日には可能になるといったことが続いています。
市場のAI化が進むのに比例して、各企業において、AIに関する横断組織や専門組織が立ち上がるケースも増えてきました。
専門組織や専門の役職がない企業においても、従業員が Geminiや Copilotなどをはじめとする各生成AIサービスを使える「環境」を用意しているケースも増えました。AIを利用できる環境から一定の時間がすでに経過しているのではないかと思いますが、皆さんの会社では、生成AI活用に関してどのような空気が流れているでしょうか。
「1日の業務の大半が自動化された!」
「劇的に仕事が速くなった!」
といったような声が現場のあちこちから聞こえてくるでしょうか。また、AIの進化のように、急速に、組織の生産性も向上しているでしょうか。恐らく、多くの企業で直面している現実は、それとは少し違うはずです。生成AIへの感度の高い一部の従業員では、活用度も高いものの、まだ全員がその状況に到達している企業は少ないのではないでしょうか。
「1日に数回、要約や検索代わりに使う程度で、業務の根幹は変わっていない」
「結局、以前と同じやり方で仕事をしている時間の方が圧倒的に長い」
全従業員が生成AIをパートナーのように使いこなす状態は、まだ先というのが現実です。社内でAI推進を担う方や役員の方は、ぜひ自社の「利用ログ」を確認してみてください。 利用「人数」は増えていても、利用「回数」を見ると、一部のヘビーユーザー以外の大半の従業員は「1日数回使うかどうか」という状況に留まっているケースが少なくありません。
劇的な成功でもなければ、致命的な失敗でもない。多くの企業におけるAI活用は、いわば「停滞」の状態に陥りがちです。