アメリカでは、1950年代に生体腎移植が開始され、1954年に一卵性双生児の兄から弟へ腎臓が提供された生体腎移植が、世界初の定着症例となりました。

腎臓を提供してくれる人のことをドナーといいます。ですからこの場合は兄が生体ドナーとなって、二つある腎臓のうち一つを提供したわけですが、手術による大きな影響はなく、術後56年間元気に過ごされたとのことです。

日本では、1964年に最初の慢性腎不全の治療としての腎移植が、夫婦間の生体腎提供によって東京大学医学部付属病院で行われました。

残念ながら成功しませんでしたが、原因は血栓症と考えられ、まだメカニズムがほとんど解明されていなかった拒絶反応の関与が考えられます。

しかし当時は、透析療法も黎明期であり、慢性腎不全は不治の病でした。

まだ若いご夫婦であったとのことで、腎移植へ一縷の望みを託した気持ちにも、何とか助けたいと思う医療者の気持ちにも強く共感します。

その後、諸先輩たちの努力によって、拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤の開発が進み、特に1986年のシクロスポリンAの導入以後、目覚ましい腎移植の成功率となっていきました。


(注1)日本生活習慣病予防協会調べ 

https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2025/010842.php

(注2)日本透析医学会調べ

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/58/12/58_524/_pdf/-char/ja

(注3)日本臨床腎移植学会調べ

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jst/58/3/58_189/_pdf/-char/ja

 

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