乾いた大地に囲まれた小さな村、それがトモの住む世界の全てだ。

村にはわずかに残る水辺があったが、井戸はすっかり枯れてしまっていた。 それなのに、太陽の光は容赦なく降り注ぎ、大地を焦がしている。

トモの父親はこの小さな村の長で、今日も家では干上がった大地について、村人たちと集会が開かれていた。

「もうダメだ……。このままではいずれ村の水源は尽きてしまう。そうなったらもうこの地では生きていくことができない……」

そう言って嘆く者。

「先祖から譲り受けたこの土地を、自分の代で無くしてしまうのは……。なんとかならないものか」

とボヤく者。

途方に暮れた様子の村人たちと、毎夜、堂々巡りの話し合いが行われていることに、トモは内心苛立っていた。

「今日はひとつ、打開策を持ってきた」

そう言って一人の長老が不思議な話をし始めた。

「試練の鉱床に住むと言われる魔道士に、光水晶(ひかりすいしょう)について、聞いてきたらどうだろうか?」

「光水晶?」

トモは不思議そうに尋ねた。

「この村にも、かつて光水晶があった。それは、太陽の光を受けて輝き、清らかな水によってその力を解放する伝説の宝石だ。だが、長い時を経て、その力は失われたと言われている」

エリオットが神妙な顔つきで答えた。

「その光水晶とか言うものが、どうだって言うんだ! そんなもの、腹の足しにもならねぇ」

村人たちは、突然始まった夢物語に、戸惑いの声を漏らした。