【前回の記事を読む】コロナ後、精神科病院の経営は過去最悪…2023年、24年共に赤字。小さな精神科病院が、窮地を脱するために選んだ“策”とは
第1章 地ケア病棟開設前
現状分析
当院は精神科、老年精神科、内科を標榜しており、2025年2月までは精神科病床185床(精神科一般病棟65床、精神科急性期治療病棟60床、認知症治療病棟60床)、医療療養病棟45床の230床であったが、3月から精神科一般病棟を5床減らして現在225床である。
外来は精神科デイケア、認知症デイケア、訪問看護、訪問診療を行っている。
常勤医は6名、(精神保健指定医5名、内科医1名)非常勤医は脳神経内科と整形外科、皮膚科が月2回、精神科が月6回、呼吸器内科が月8回勤務している、看護師72.5名、准看護師26名、看護補助業務28名、薬剤師4.5名、作業療法士12名、精神保健福祉士8名、臨床検査技師4名、臨床放射線技師1名等、総勢220名以上の組織である。
当院は主に精神症状を有する高齢者を対象に医療を提供しているが、2024年6月30日時点での各病棟の疾患別入院患者数(精神科のみ)を表1に示す。
精神科入院患者数は173名でF0(認知症関連)は134名(77%)である。F1(アルコール関連)3名にも認知症症状があり、これを含めると137名(79%)になる。各病棟の入院期間別患者数を表2に示す。
3ヵ月未満は58名(34%)、3ヵ月以上6ヵ月未満は14名(8.1%)である。5年以上の入院患者は24名(13.9%)である。
2024年の月平均外来患者は744名、認知症デイケアは463件、精神科デイケアは251件、訪問看護203件である。
地域性
当院は福岡市南区にあり那珂川市と春日市に隣接している(図1)。福岡市南区の人口は約 26万5千人、高齢化率は約23%である。
那珂川市の人口は約5万人、高齢化率は約24%、春日市は約5万4千人、高齢化率は約23%である。
那珂川市と春日市に精神科病院はないが、南区には5病院あり精神科病床数は1142床(2020年時点)で人口10万に対する精神科病床は南区の人口で割ると430床で全国平均をはるかに上回っている。
医療資源は豊富で、救急医療を担当する病院としては福岡赤十字病院、九州中央病院、那珂川病院があり、春日市には福岡徳洲会病院もある。当院の新患患者の居住地は福岡市南区、那珂川市、春日市で7割以上である。


