認知症特化で地域貢献

当院は1965年、100床の単科精神科病院から始まり、1977年には230床(精神科病床185床、内科病床45床)まで増床したが、2025年3月、一般精神科病床を5床減らして現在225床である。

経営としては、1998年に認知症治療病棟(60床)と認知症デイケアを開設して本格的に認知症治療に取り組んできた。また、2009年には、急性期病棟を開設して、対象患者を精神症状を有する高齢者に特化して運営してきた。

こうした経緯から必然的に認知症の周辺症状を専門に診ることになり、年間250件以上の新患の6割は認知症関連疾患である。地域の医療機関や福祉施設からも「認知症専門の病院」として認知されていると自負している。

実際、2023年の紹介患者は254件(施設数138機関)であるが、一般病院104件(43病院)と一般診療所116件(70施設)で約87%(図2)を占めていて精神科医療機関からの紹介よりはるかに多い。

これからも認知症の周辺症状や高齢者のうつ病、妄想性障害、アルコール関連疾患、症候性精神障害、軽度から中等度の身体合併症を有する精神障害者やリハビリを必要とする患者などを対象に医療を展開していき、他の医療機関、施設との連携を強化して地域医療に貢献することが当院の使命と考えている。

過去最悪の状況に陥る

2010年からの診療収益と医療経費(図3)、病床利用率(図4)を示す。当院は2020年から2024年の間に5回ほど新型コロナ感染症のクラスターを経験しているが、クラスターの期間は入退院を制限したりデイケアを閉鎖したりしたため入院患者やデイケア利用者は減少した。

病床利用率はコロナ禍でもなんとか90%以上を維持していたが、急性期病棟は90%を切るようになってしまった。

2022年まではコロナ補助金のおかげで黒字であったが、2023年の医業損失は1200万円超えとなり赤字に転落した。

2024年は医業収益が前年より1000万円以上伸びたが医業経費の増加分を補うことはできず医業損失は7300万円と2年連続赤字になった。

また、コロナ禍で訪問看護事業所が乱立したりコロナワクチン接種を専門にする看護師の需要が増えたりしたため、看護師の退職があいついだ。

2019年の看護職(看護師・准看護師・看護補助)の退職は24名だったが2022年は23名、2023年は20名、2024年は37名である。

人材派遣会社への紹介料は2019年が0円だったのに2024年は1537万円である。物価高騰に関しては、給食用材料費は2019年が5069万円だったが2024年は6608万円、水道光熱費は2019年が5197万円だったが2024年は5655万円となった。

 

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