第Ⅰ章 序論
因果関係の重要性
因果関係を知ることはなぜ大事なのか。
因果というのは哲学の認識論のテーマとして知られ、認識の起源や妥当の範囲を論じる組織的な認識論はロックからはじまったといわれる。
ロックによって認識論上のほとんどの問題が取り上げられ、これにバークリー、ヒュームが続き、カントによって今日の認識論の基礎が築かれた。
認識論に限らず哲学の本には難解な用語にさまざまな説があふれているが、結局、だから何なのということになる。
どの説を選んでも、真に哲学する人でなければ、それで生活に影響が出るようなことはほぼない。
物と心の起源を考えるとき、物が心を生み出すのか、心が物を生み出すのか、どちらの解釈を選んでも日常生活は変わらない。
天動説を信じていても太陽が毎日、東から上り西へ沈み光を恵んでくれるなら何ら困ることはない。死とは何かがわかっても死ななくなるわけではない。
認識論も、経験論、合理論、そして実在論、観念論、さらには懐疑論と、さまざまな説があり考え方がある。
[注1]現象Aと現象Cの両方を生じる要因のこと。現象Aと現象Cに相関関係があっても交絡因子があれば因果関係はない。
交絡因子の説明事例としてよく使われるのが、「アイスクリームの売上高と水死者の数の相関関係」である。これは気温が交絡因子となっている。気温が高くなるとアイスクリームの売上高が増えるとともに泳ぐ人も増え水死者の数が増えることで相関関係が生じる。アイスクリームの売上高と水死者の数はどちらも気温(要因)から生じた結果で因果関係はない
[注2]『純粋理性批判』イマヌエル・カント著、篠田英雄訳、岩波文庫1961年
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