で、発問するとだいたい毎年このような答えが返ってきます。
①ちょうを見ると今日のことを思い出してしまい辛いから目の前から消してしまいたい(トラウマ解消型)
②ちょうを見るとエーミールのドヤ顔が浮かんできて腹が立つからつぶしてしまった(逆ギレ八つ当たり型)
③ちょう集めなんてしたからこんな嫌な思いをしたので、ちょう集めからすっぱりと手を切ろう(原因追及決別型)
④自分の大事なちょうをつぶすことでエーミールの気持ちを味わって反省しよう(追体験反省型)
⑤自分にはちょう集めをする資格がないと思い自分自身の戒めとしてつぶしてしまおう(自己批判型)
⑥結局エーミールはおもちゃも何も受け取らなかったから、せめて自分のちょうをつぶすことで償いをしよう(懺悔賠償型)
……と、これくらいの読み取りが出てきて、どれも良い回答になる、非常に面白い部分です。ただし、人気で言うとだいたい①、②が多くて、⑥の「償いをする」という考え方は、あまり賛同を得られない傾向があります。(多分生徒の多くがエーミールのことがキライで、腹が立ったという読み取りが強くなるのではないか、と推測します)
ところで私は逆に、個人的に⑥を一番強く推しています。なぜかというと、前述した通り(いまだに迷っている)ある箇所の読み取りを、私流に読解すると「償いの気持ち」が強く感じられたからです。その箇所とは以下の部分です。
「壊れた羽は丹念に広げられ、ぬれた吸い取り紙の上に置かれてあった。しかし、それは直すよしもなかった。触角もやはりなくなっていた。そこで、それは僕がやったのだ、と言い、詳しく話し、説明しようと試みた。
すると、エーミールは、激したり、僕をどなりつけたりなどはしないで、低く『ちぇっ。』と舌を鳴らし、しばらくじっと僕を見つめていたが、それから、『そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。』と言った。」
一番盛り上がるシーンですが、この「言い」「話し」「説明しようと試みた」の部分の読解が、どうもイマイチはっきりと割り切れない。私流へそ曲がり読解では、この太字の部分は三種類の違った読み取りができると思うのです。
※表記については原文のドイツ語に当たればはっきりするわけですが、そんな気力も能力もないので、あくまでも「日本語訳」の表記にこだわった読解について述べていきます。
【イチオシ記事】「何も気づかなくてすみません…」彼はそう言って、彼女の唇を何度もついばんだ。だが胸が高鳴ったのは、キスのせいだけではなく……
【注目記事】2年間続いた不倫関係…飲みの席で発覚したのは、“自分はセフレでしかなかった”という事実。相手の男は他にも2人の女性と関係を持っていて…
ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp