はじめに

お初にお目にかかります。私はつい先日まで中学校で国語教師をやってきた者です。

そして、長年一般的な国語の先生なら、あまりツッコミを入れなさそうな、「重箱の隅をつつく」ような記述に注目して授業をしてきたのですが、その中で常々生徒に二つのことを言ってきました。

前提その一「小説の作者は隅々まで神経を使って書いていて、無駄な描写はないし、逆に無駄に見えたり、違和感のある表現には、必ず何かしらの意味が隠されていると考えること」

前提その二「作者は『こう読み取ってほしい』というヒントを必ず入れてあるから、それに気づいて読み取ってあげなさい」

つまり、俗に言う「行間を読む」ということをもっと意識して読んだら面白いよ、と。あるいは、こんな読み方もあるよ、と教えてきました。

で、この本では「例えば」ということで私の経験から、生徒がなかなか気づきづらかった内容や、独断と偏見?に満ちたちょっと変わった読解、授業に関係あるようなないような、微妙な雑談などを幾つか紹介していきたいと思います。

願わくは拙著が

現役国語教師の方には授業の中のひとネタに役立てば。

元国語教師の方には懐古の糸口になれば。

教育系(特に中学国語科)の学生さんには予習や研究授業の参考になれば。

中高生及び保護者の方々には、国語に対する興味関心の一助になれば。(多分テストには出ません。ワークには載っていない内容ばかりだからです!)

そして何より、広く「本を読むのが好きな人たち」には、国語の授業で習った「あの教材」を思い出してもらい、「そんな読み方もあったのか」と、楽しんでいただければ幸いです。

それではまず、一年生の教材からつついていきましょう。