「亜紀ちゃん、まだ起きてる?」

「どうかした?」

「お酒でも飲まない?」

ドア越しに会話が続く。

「でも……」

お世話になるのに、お酒まで飲ませてもらうのは気か引けた。

「遠慮しないで、リビングへ来て!」

「分かった」

リビングに行くと、これまた広く、テーブルにはワインとチーズとかのおつまみまで並んでいた。

「俺達の友情に乾杯!」

「乾杯」

ワイングラスがぶつかり合う、綺麗な高音がした。

「何か不自由な事があったら言ってね?」

「ありがと」

「遠慮はなしで。それが友達でしょ?」

「ふふ、そうね」

少し歓談して、私は自室に戻ってベッドに潜り込んだ。今日は最悪な日だったけど、南君のお陰で少しはマシになった。

今頃俊雄さんはどうしているだろう?

スマホを見ても、着信もなにもなかった。それは探していないという事だろうか。

せっかく好きな人と結婚ができたのに、直ぐに別れないといけなくなった現実は、まだ完全に気持ちが受け止め切れていない。嫌いで別れる訳ではないからかもしれない。いっそ俊雄さんを憎めたら良いのに……そう強く思う。

そして、お酒を飲んだせいもあってか、いつしか眠りについていた。

 

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職場で彼とまさかの再会。だが私の気持ちは既に――その夜、私は離婚届を封筒に入れた

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