【前回記事を読む】「大企業だけの話」と思われがちなSDGs。いま、会社に求められるのは「利益追求」だけではなく……

<基礎編>

本編では、CSR/サステナビリティ推進の実務担当者として、まず押さえておきたい基礎知識をわかりやすく整理しています。

加えて、世界的な潮流(メガトレンド)を踏まえ、なぜ今、中小企業においてもCSR/サステナビリティの取り組みが求められているのかを紐解きます。

さらに、実務担当者として求められる基本的な思考のあり方や視点にも触れ、実践へとつながる「土台づくり」としての内容を意識しました。

この<基礎編>は、より具体的な取り組みに進む<実践編>へとスムーズに橋渡しするための準備段階です。ぜひ、じっくりと読み進めてください。

 

【Q1】

今さらですが、CSRって何をすることなのでしょうか?

サステナビリティ、ESG、SDGsとは何がどう違うのでしょうか?

【A1】

CSR(Corporate Social Responsibility)は「企業の社会的責任」と訳されますが、直訳にとらわれず、より本質に迫る表現として「企業の社会的対応力」と捉えることが適切です。

“Responsibility” は “Response(応える)”+“Ability(能力)”の合成語であり、CSRは企業が社会の期待に応える力を意味します。

CSRの定義(著者による):
「企業が、ステークホルダーをはじめとする社会の期待・要請に、本業を通じて応えること」

CSRは単なる慈善活動ではなく、企業が事業活動を通じて社会課題の解決に貢献することを意味します。重要なのは「本業を通じて」という点です。CSRは企業の根幹にあるべき考え方・視点であり、企業活動と切り離して考えるものではありません。

ESG、SDGs、サステナビリティとの違いは?

結論から言えば、CSR、ESG、SDGs、サステナビリティは「いずれもほぼ同じこと」と考えて差し支えありません。すべて「目的」は同じであり、異なるのは「視点」だけです。

ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の略で、主に投資家の視点から企業を評価する指標です。主に金融業界でCSRとほぼ同じ意味で使われています。近年ではESG投資が主流になってきています。

SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、2015年に国連で採択された17の目標から成り立ちます。国際社会の視点から、持続可能な未来の実現を目指すものです。

サステナビリティ:直訳すると「持続可能性」。CSR、ESG、SDGsの根底にある共通の目的であり、企業・社会の持続的発展を支える軸です。

まとめると以下のように整理できます:

CSR:企業からの視点(企業がどう社会に応えるか)

ESG:投資家からの視点(どの企業に投資するか)

SDGs:国際社会からの視点(持続可能な社会に向けて)

サステナビリティ:CSR・ESG・SDGsの根底にある共通の概念

企業に求められる本質的な行動は一つ、「社会の期待に、本業を通じて応えること」です。それぞれのキーワードは、そのアプローチの違いを表しているに過ぎません。

写真を拡大 [図1](出典:著者作成)