はじめに
「CSR(企業の社会的責任)、サステナビリティ(持続可能性)、ESG(環境、社会、ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への対応が必要だと感じてはいるものの、何から手をつけてよいかわからない」、「本当に中小企業にも関係があるのか」、「コストがかかるだけで、経営の改善には結びつかないのではないか」――。
本書は、そんな疑問や戸惑いを抱えている企業、とりわけ中小企業の実務担当者の皆様に向けて制作したものです。
近年、社会的課題が複雑化・深刻化するなかで、企業には単なる「利益追求」だけではなく、「社会の一員としての責任」が強く求められるようになってきました。
これは、環境への配慮、働きやすい職場づくり、人権尊重、地域との共生など、多岐にわたる取り組みを意味します。
特にSDGsの登場によって、「社会課題の解決」と「ビジネスの成長」を両立させることが、すべての企業にとっての新たな常識となりつつあります。
とはいえ、CSR/サステナビリティやSDGsと聞くと、「大企業の話」、「リソースがあるところだけの話」と思われがちです。
しかし実際には、地域密着で柔軟な対応ができる中小企業だからこそ、社会的価値の創出に直結する取り組みができる場面が多々あります。むしろ、その機動力や現場感覚が、これからの企業価値の源泉になっていくでしょう。
本書では、そうした視点に立ち、CSR/サステナビリティやSDGsの基本的な考え方から、社内への浸透方法、コンプライアンスの実践、ESG評価や情報開示の意義までを、Q&A形式でわかりやすくまとめています。
いずれも実務に直結する内容ばかりで、読み進めるなかで「自社にもできることがある」、「やってみよう」と思っていただける構成を目指しました。
中小企業のCSR/サステナビリティ・SDGs推進は、けっして特別なことではありません。まずは小さな一歩から。
自社の強みや特性に合った取り組みを見つけ、積み重ねていくことで、それはやがて企業のブランドや競争力、さらには社員の誇りにもつながっていきます。
本書が、その最初の一歩を踏み出す一助となれば幸いです。
読者の皆様におかれては、まず基本となる<基礎編>をお読みいただき、その後は<実践編>のうちご興味のある項目、貴社で気になる課題から順不同でお読みください。