身近な家電withノイズのリアル

第1話 ノイズはどこから来るのか

【はじめに】

皆様はじめまして、EM上島Lab 上島と申します。EMC設計を中心とした設計コンサルティングを生業(古いですねー)としております。

私は約40年、総合家電メーカーで白物家電の設計に従事してまいりました。長年開発に携わっていると、いろいろな事象に遭遇します。

本コラムでは、私の経験をもとに開発の過程で起きる、ノイズに関わる特徴的な事象をピックアップして、理論的な思考で解釈し直し、皆様がイメージしやすいようにお話していこうと考えています。身近にある家電がお客様の手にとどくまで、担当設計者の紆余曲折のストーリーです。

さて、本題に入る前に本書で取り扱うノイズについてお話ししようと思います。ノイズと言う言葉を聞くと、観ようとしている映画や音楽に割り込んでくるお隣のおしゃべりを想起する方がいらっしゃると思います。あるいは、テレビの画面の乱れ、ラジオの音声の乱れた状態が目に浮かぶと思います。

このように本来ではない不要なものをノイズと表現しますが、本書では家電などの電気製品を動かす電子回路を本来ではない挙動にさせてしまう、電気的に不要なものをノイズと定義してお話ししていきます。

例えば先に挙げたテレビの画面の乱れの原因の一つとして挙げられますが、テレビ電波を受信して画面に映像として再現させる電子回路に不要なノイズが侵入したときなどに生じる状態でもあります。