【前回の記事を読む】「ずっと内緒にしてたんだが、俺が美女と暮らしてるって、いつから知ってた?」お前は何を言ってんだ?笑 「ひもじい」は「ヒモ爺」じゃない
1月
コラム 生き物の場について
もう、遠い昔の話になってしまうのです。
ボクが生まれた頃(昭和31年)は、田んぼの圃場(ほじょう)整備もなく、川も野も自然のままだったのです。
橋の上から下の川を覗くと、いっぱいの魚が泳いでて、田んぼの水路は土水路でしたから草が生えてて、そこにもいっぱいの生き物が暮らしてました。
ここら辺では今じゃ、絶滅寸前のタガメやゲンゴロウもいたし、もちろんホタルやトンボなんかは、「そこにいて当たり前」の環境でした。
僕らの夏は、そんな田んぼの水路でドジョウを捕って、それをエサにして「ながし針」っていう方法でウナギを捕ることばかりでした。学校にもプールなんてなく、川が水遊びそのものでした。
あの、むせかえるような緑、抜けるような青空、何も考えずに、野を走りまわってた夏休み、そんな中で少年時代を過ごしたのです。
いつの間にか、気がつかないうちに「当たり前の風景」が変わっていってしまいました。消えていってしまいました。
「そんなことないよ、今だって生き物いっぱいいるよ」は、今しか見てない人たちがいう言葉で、やっぱり「あの頃」をずっと見ていた、僕らの目線には、当たり前の世界じゃなくなってしまったのです。
そんな全てを戻すことは、もう不可能になってしまいました。
でも、あの頃の風景に近い環境ってのは、ちゃんと創ってあげれば、ちゃんとそこで生きてくれるのです。
ボクは土建屋さん。自然を壊してしまうのも土建屋さんなら、自然を再生できるのだって、土建屋さんだと思うのです。
今、田舎の農地は放置されてます。そんなところに水を溜めて、絶えず水を流してあげれば、生き物は彼ら自身の力で生きていってくれるのです。世代を循環してくれるんです。
少し偉そうな言い方すれば、そこは「生き物の世界」なのです。