ほめられれば、また来たくなる

以前県内の遠くから母親とお子さんが受診されました。

親子で髪の毛を黄色に染めていて、お会いしてちょっとドキッとする方でした。どうやら周囲の方に受診を勧められたようです。間違いなくお母さんに大きな問題があります。

しかし直接語られないので対応ができません。のちに知った情報によると、そのお母さんは地元ではトラブルを連発していて、受診する医療機関もなくなり、遠方まで来られたようです。

私の得意なのは職場の話だと少し開き直り、お仕事について尋ねました。

現在はペットショップに勤務していて、犬猫のえさ、お掃除などの世話をしているとのこと。私自身子供の頃に犬も猫も飼っていた経験があるので、細かく仕事のことをお聞きしました。

どんな種類の動物を扱っているのか、えさをやる時のコツはありますか、動物の個性は、人気があるのはどんな猫ですか……。どれくらいの期間でしょうか、長期にわたって外来通院が続きました。

その方の両親は遠方のクリニックに通院が続いて、比較的体調も落ち着いていることが不思議で、その理由をご本人に尋ねたそうです。

そこで彼女は、「あのクリニックに行くと、仕事を続けていることをほめてくれるから」とおっしゃったそうです。

記憶があいまいですが、いつも患者さんには承認メッセージを出すように心がけているので、そのようにしゃべったのだと思います。

どんな場合でも、どんな患者さんに対しても、承認メッセージは万能なのです。ただし、むやみに「頑張っているね」と言っても通じないことがあります。

その方の、どの部分を承認しているのかがわかるように、お伝えすることが必要です。