ぎゅうと、抱きしめられた。
「そうか。でも僕は結婚した。君と別れた時の喪失感で一年は辛かったが、乗り越えられて、前を向いて歩こうと決めた。そしてとても素晴らしい女性に出会えた。今は妻がいなければ生きていけないと思うくらい愛している。女性に惚れて、こんなに愛する事が出来るのだと感じている。もう君とやり直す事は出来ない。僕達はあの時に終わった。君が僕から離れた時に」
「私が側にいなかったからでしょう? 帰って来たの。あなたの所へ」
「違う。僕は君の事を愛していない。今の妻を心から愛している」
別れに軽くハグをした時、ゆりと目が合った。ゆりは僕を見て背を向けた。驚きと恐怖感で全身に電気が走った。
「悪いがもう会わない。さようなら」
急いでゆりを追った。
「待って!」
手をようやく掴んだ。僕を見ない。
「前に一人だけ、好きで別れた女性がいたと話をしたことがあるだろう。その人がアメリカから帰国したらしい。本当に偶然に、偶然に今、会った。ちゃんとはっきり話した。愛する妻がいる、君は心にもいないと」
それでも、僕を見ない。すごい不安感と恐怖感。
「僕は君が居なければ生きていけない。わかるだろう。君以外愛せない」
ようやく僕を見た。思わず強く抱きしめてキスをした。冷静になった時、人がたくさん行き来して見ていた。顔から火が出そうだった。後ろに上村紀子がいた。
▶この話の続きを読む
元カノに触った手で触れられるのが嫌で、夫の手を振り払ってしまった。帰宅後、ドアを閉めると同時に激しくキスされ…
👉『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様』連載記事一覧はこちら
同じ作者が描く、大人の恋愛小説
💕バツイチにだって、人生最高の恋はやってくる
『夢を叶えた、バツイチ香子と最強の恋男』
第1回記事 42歳で離婚しバツイチに…。でも今が一番幸せ!——何歳になっても「運命の出会い」はやってくる。第二の人生、ときめき再スタート!
ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp