2014.4 幸せな時間
そして、その前日のLINE。
「ねぇ明愛花……突然だけど明日2人でスケッチブック持って絵描かない?」と打つと「うんっ、いいよ」と意外にも、あっさりオーケーをもらった。
そして「そしたら待ち合わせは、10時に大宮駅でどうかな?」と返す明愛花は、ふざけて「11時がいいと、月本は思うのです」と返ってきた。僕はそれを見て、早起きが面倒なのだろう……そしてコレは、不器用な明愛花なりの甘え方なのだと思うとクスクスと笑いが込み上げた。
「りょっ 明日11時で」と約束を交わす。
そして当日の朝、この日はようやく晴れた。その上雲一つない快晴! 約束の時間になり、大宮駅に着くと明愛花からLINEが届いた。
「今豆の木の 隣の黒いやつのとこにいる インフォメーションかな……君は?」
「俺も今着いた すぐ行く」
そして合流すると、前日 クレーンゲーム機で取った小さなヒヨコの人形を「はいっ、今更で、しょぼいかもだけどプレゼント」と言い、渡した。
すると彼女は、今までにない優しい顔で微笑み鞄へとしまう。
僕はそんな明愛花にただ見惚れた……。
僕らの向かった先は、大宮ソニックシティの前にある鐘塚公園である……。僕ら2人は、寡黙でほとんど会話もないのだがいつでも、そこには安心感があった。
そして公園に到着し、背中合わせに座るとそれぞれ、目に映る風景をスケッチする。時間が経ち、後ろを振り向くと彼女は一生懸命絵を描いている……。
僕は気付かれないように、明愛花の後ろ姿をスケッチしだすと……僕に気付いた彼女は「へぇ……上手いじゃないですか……」と笑った。
「ハハハ……バレた……君のも見せてよ」
「ヤダッ」
「まさかの即答っすか……どんだけイヤなんだ……」と苦笑する。そして僕は「あっ、そうだ」と悪ふざけのつもりで花壇に咲いた一輪の花をもぎ取り、それを明愛花に持たせる。
そして僕は、ニヤけながら花を持った彼女のスケッチを始めると、「イヤイヤっ、これは無理っ、私そんな乙女じゃないっ、ねぇ……冨良人……。こんなの恥ずかしいよ……」
「いいのいいのっ、そのままそのままっ」
周囲を気にかける明愛花に「ほらっ、動かないのっ」すると明愛花は、むくれた表情で「うぃ~っす」と返し、僕を見つめる……。目が合うと、僕らは優しく微笑んだ……。
そしてお絵描きタイムを終え「モデルありがとう……見る」と言うと「ううんっ、見ない」と明愛花は、照れ臭そうにしていた……。
本当は冗談のつもりで、適当に済ますつもりだったのだが悪ふざけの度を越え、いつの間にか真剣になっていた……。
そして、スケッチブックを畳みお腹を空かせた僕らは、僕の知人が働くカフェに連れていく。カフェに着くと、明愛花は慣れない場所で挙動不審になっていた……。
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