そのまえに
天上大風は、良寛が子供に頼まれて凧に書いたといわれる文字です。この本はその良寛の生き様を描いたものです。
彼の人生は天上大風というよりも今生大風でした。良寛はその生涯において自分自身の寺を持つことなく仏道修行に励んだように、地位も名誉も欲さずに清貧を貫き、貧しい人たちを救うために活動しました。
誰にでも理解できるように分かりやすい言葉で仏教の教えを語り、その言葉が多くの人々の心を捉えました。また、子供が好きで、いつも一緒に遊んでいたそうです。
特に手毬がお気に入りらしく、常に毬を懐にしのばせ、ことあるごとに子供とともに手毬をついていたといわれています。
一方で、俳人、歌人、書家としても知られ、自然を愛した風雅な人でもありました。数多くの作品が残され、どちらも高い評価を得ています。
このように美や趣を感じ取れる豊かな感性は、優しい人柄に通じるものでしょうか。貧しくても心豊かに生きることを実践していたのです。
そんな純真無垢で大きな愛に溢れた僧侶・良寛の人生の物語を、お話ししたいと思います。