たまたまそのセレモニーに同じ大学から来ているグループもいたので、その人たちと合流して、終わってから10人くらいでコーヒーを飲みながら話をした。
その中に北米の歴史を学んでいる学生がいて、その人が建国前の時代のことを教えてくれた。アメリカ合衆国に住むネイティブアメリカンは数百年前、ヨーロッパからの白人たちの入植により、キリスト教徒による大虐殺、民族浄化、強制移住などで、人口の90パーセントが抹殺された。
その代わりの労働力としてアフリカからたくさんの人たちが奴隷として連れられてきた。アフリカの大地で幸せに暮らしていた彼らは、知能が低く劣った人種なので服従させて当然とされ、大変な苦難の道のりを歩まされる。現在のアフリカの銃社会や悪い治安の元凶はそのときに白人たちから対立させられ、銃を売りつけられ、分断されたことにあるとも言われている。
オーストラリアから来ていた留学生は、それはアメリカ大陸だけではないのだと話してくれた。オーストラリアにはアボリジニと呼ばれる人々が暮らしていたのだが、イギリス人たちから、同じく人間ではないとされ、あろうことか狩りの対象とされていた。
そしてその伝統や文化を絶滅させるためにアボリジニのこどもたちは隔離され収容所で育てることにし、その政策は1970年代まで続いていたそう。
機内で夢うつつの中で思った。あのカフェで会った小泉さん、あのときのシャーマンのようなネイティブアメリカンの女性、どちらも吸い込まれるようなきれいな、でもどこか哀しげな瞳をしていた気がする。
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新しい恋を見つけにパラオに旅行へと向かう。しかし、ホテルで届いたメッセージカードが謎を呼ぶことに……。