日がな一日、「J」はそこにいて、窓の外の公園や向こうに見える駒沢通りを行き交う車を眺めていた。80センチほどの高さがあるため、最初は高さ40センチのスツールに飛び乗って、そこから出窓へ飛び乗っていた。

しかし8歳を超えた頃、滑って転げ落ちたことがあった。よほど怖い思いをしたのか、あんなに大好きだった出窓に「J」は登ろうとしなくなった。

「『J』くん、お外見なくていいの?」と声をかけてみたが、諦めたようだった。

なんだか不憫で、家具屋さんに頼んで、滑り止めを付けた大きな木製スロープをオーダーで作ってもらうことにした。

若い頃のように、ぴょんぴょんと出窓に飛び乗れなくなった「J」。

なんだか、切なくなった。

南軽井沢の土地

「J」や小雪とともに毎年数回、貸別荘を泊まり歩いていた私は、故郷の福岡から呼び寄せて一緒に暮らしていた母と、大好きな軽井沢で過ごせるように、軽井沢の別荘地内に土地を探した。

南軽井沢に良さそうな土地を見つけた。

明るい平坦地で、広さもかなりあった。

「ここなら、広いドッグランが作れるよね!」

インターからも比較的近く、混雑するメインの通りを通らずに行けるのも魅力だった。

即決するつもりだったが、念のため次の日に、東京から「J」と小雪を候補地へ連れて行った。

「J」が嫌がったら申し込むのはやめようと思っていた。実は、以前に他の土地でそういうことがあったからだった。

動物は、そういうエネルギーに敏感なのだと思う。

 

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