「えっ、それってどういうことなのかしら?」
考えても何も思い浮かばなかったのか、友里が観念したように訊いた。
「私が、タイムスリップしたってことじゃない。だって、あの子の顔は、本当に私だったんだもん」
利佳は、軽い笑みを浮かべながら言った。もちろん、利佳は、実際に自分がタイムスリップしたとは思っていなかった。
たまたま写真で見た女の子が、自分によく似ていた。それだけのことだった。万博会場には、のべ六千万人以上の人が来場したと言うし、その中に自分と似た人が一人や二人ぐらいはいてもおかしくはなかった。
「お母さん、このことはもう気にしないで。それよりもさ、音楽フェスって面白いんだよ。ただ音楽を聴くだけじゃなくて、観客たちがみんなで音楽に合わせて踊るの。お祭りみたいなんだから……」
「おまつり?」
利佳は、友里が一度何かを考え出すと止まらなくなってしまうことを、これまでの経験から知っていた。
タイムスリップなんて、空想めいたことを話してしまったものだから、利佳の頭がおかしくなってしまったんじゃないかと、あとで深く詮索されるのは面倒だった。
だから、あえて明るい話題に変えて、その日の夕食を楽しく過ごすことに専念した。
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