第一章 始まりから中学卒業まで

★苦しみは突然に

2020年、高校受験シーズン真っ只中、明るく元気で活動的な娘から笑顔が消えました。

それは私からしたら突然の出来事で、頭の中が真っ白になりました。

当時の私には何が何だか全く理解が出来ず、人生のシナリオは想像とは逆の道を辿っていきました。

娘には双子の弟がいます。弟は生まれながらの自由人。小学校高学年の頃には落ち着きましたが、幼い頃は目を離すと一瞬でいなくなってしまう少々手のかかる子でした。 

一方娘は、幼い頃からしっかり者で、曲がったことが大嫌い。小学6年生の時は児童会長、中学校では生徒会、部活動の副部長をこなし、先生からは 『生徒の模範』 とまで言われていた子です。

自由人の弟の方に手を取られ、日々クタクタだった若かりし頃の私は、知らず知らずのうちに娘のことを手のかからない頼りになる存在に位置付けていたのだと思います。

そんな娘の心は周りからの 「出来る子」 といった期待の眼差しと本当の自分 「怠けたい気持ちやイヤという気持ち」 を出せない葛藤のうちに心がガタガタ音を立てて崩壊していったのだと思います。

2020年。正月気分もすっかり抜けた寒い日。

私は毎朝家中に掃除機をかけるのが日課なのですが、娘の部屋のゴミ箱にいつからか、普段より多くティッシュペーパーが捨てられるようになっていました。

その中には少し血の混じった物もあり。

アレルギー体質の娘は鼻をかむことがよくあるので、変な話、時々鼻血が出ているのだと思い込んでいました。そんな勘違いで1か月ほど経ったある朝、いつものように娘の部屋を掃除していて何気にゴミ箱に目が行きました。

『違う!!』

物凄い違和感と明らかに違うティッシュについた血の量。そこで、ようやく気付いたのです。

『まさか……』

不安混じりの気持ちで寝ている娘の腕を掴み、恐る恐るパジャマをめくりました。

不安は的中! 心臓がギュッと締め付けられたような衝撃を覚えています。