第一章 ほうりでわたる

近所の子供たち

小学生のころは同級生と遊ぶことも多かったのですが、上級生や下級生と一緒に遊ぶこともありました。年上の子供の中にはいろいろな特技を持った人もいました。飛行機を作るのが上手な「みっちゃん」は、竹ひごと紙でグライダーを作って飛ばしていました。

それが結構大きく、大人が両手を広げたくらいの大きさです。当時みっちゃんは中学生くらいでしたから、私はすごいなぁと感心していました。

私も飛行機作りが好きで、当時はライトプレーンなど、竹と紙で作る飛行機キットが町の雑貨屋さんで売られていました。竹ひごをローソクなどで温めたり、熱湯で曲げたりして加工します。

プロペラとゴムひもを付けて指でプロペラを回し、ゴムをねじります。勢いを付け、手を離すと悠々と空を旋回します。学校の運動場や稲を刈った後の田んぼで、友達と競って飛ばしました。今はそのような遊びをしている子供をあまり見かけませんが、今度、孫と飛行機作りを楽しみたいなと思っています。

他にも、竹馬や凧を作るのが上手な「てっちゃん」という兄ちゃんもいました。すごい高さの竹馬を作り、家の屋根から乗るのです。足を乗せる部分が屋根からちょうどいい高さに作ってあります。ふらふらしながらも上手に歩きます。こけたらどうなることかとハラハラしながら見ていましたが、てっちゃんは屋根から屋根へと渡っていました。

てっちゃんの作る凧は、子供が乗ってもいいくらい大きな蟬凧です。風を受けるとブーンブーンと唸りをあげて上昇します。

音が出るように、新聞紙を細長く切って凧の裏側に張った糸に貼り付け、片方をひらひらさせます。そうすることで蟬の声に似せたブーンブーンという唸り声が出るのです。私も、ひし形の凧を作って、稲刈りの終わった田んぼで遊んだものです。

てっちゃんは「匂いガラス」も持っていました。飛行機の風防ガラスのかけらです。