その七 家族病
⑭ 次々起こる身体的異常
今までは、それらの精神的ストレスと思える出来事も、傍目には気づかれず、症状として出ることはなかったのです。体も痩せることもなく、むしろ太り気味でした。中年肥りと思い、前年秋頃から食事を減らしていたため、痩せ始めた時には、「その効果があった」と喜んだのです。
七月頃から、私は目に見えて痩せてきて、その上、夕方近くになると、足がガクガク震えて、階段の上り下りには息切れや動悸が激しくなってきました。無性にお腹が空き、何か口にしないと、手足が震えて立っていられなくなりました。
夕方、家に帰ると、先ず何か食べてからでないと、食事の支度に取りかかれません。食べても食べても痩せていきます。体重は二カ月間で、約十キログラム減っていました。
驚きでした。何か少し変だと思い始めました。
たまたま、虫歯の詰めものが取れたので、歯科医院へ治療に行きました。口の中も痩せていたのでしょうか。お医者さんは「こんなに血圧が低くては治療できない」と。
専門医の受診を勧められ血液内科を受診したのですが、「血圧には問題ないが、大分糖が出ています。糖尿病外来を受診してください」と回されて、「糖尿状態ですが糖尿病ではありません。糖尿病でこんなに痩せてきたら末期的ですよ」と言われ、「他の病気が考えられますから、精密検査を受けるように」と指示されました。