3 現会員が備えるべき姿勢

では、現会員はどうすればいいのか。

どういうスキルを持つことがクラブの雰囲気を「寛容かつ公平」にすることができるのか。

私の経験を話そう。

いまから数年前のこと、二七七〇地区のクラブで夜間に例会が行われるところに卓話に呼ばれたことがあった。

卓話が終わって、会員の皆さんと宴席を囲むことになった。すると、会長をはじめたくさんの会員が、かなり年配(八〇歳くらいか?)の会員のところへ挨拶に行く。

しかもお互いが楽しそうに会話をしている。その人はその地区のパストガバナーらしい。ずっと見ていたら、その人の周りに人が集まる理由が分かったような気がした。一言でいえば、「紳士だ」と思った。

通常、ガバナーやパストガバナーはひな壇に祭り上げられて一般の会員とは距離がおかれる。

しかしその人は、皆とフラットで距離なく付き合っている。しかも発する言葉や内容が丁寧で優しい。

聞いていると彼は、

「あなたはロータリーの勉強をよくしていますね。新しい情報があったら教えてください」

「先日、近くでご家族と一緒のところを見ましたよ。皆さん楽しそうでしたね」

など、相手の気持ちを和ませる思いやりに溢れていた。思わずウチのクラブの、とある一派の顔を思い出してしまった。

ソイツらは、いつも苦虫を嚙み潰したような顔で、口を開けば大声で他人の悪口ばかり。いつもそんな輩(やから)に苦しみながら対応している自分にとって、そのパストガバナーの所作は新鮮だったのだ。

「私もこのような人になりたい」その気持ちが原点になった。