5 Dの本質を見抜く

どうせなら迎える新会員は性格明朗、明るい人がいいとしてきたが、そういう人を見抜くにはどうしたらいいのだろうか。

私たちが経営する会社でも、会社の将来を任せてもいいという社員をどうやって選別すればいいのかを考えることがある。

以前、ある人の講演を聞いていて「これはいいかも?」という方法に出会った。それを披露しよう。

その講演者が言うには、「皆さん、会社の廊下に少しだけ目立ったサイズのゴミ(紙片)を置いてください。あまり大きくても、あまり小さくてもいけません。通りかかった人がゴミの存在に気づく程度の大きさでいいのです」

「社長さんは、社員に気づかれないようにそれを遠くから眺めていてください。

通りかかった社員の行動は二種類です。ゴミを拾うか、ゴミを跨(また)ぐかのどちらかです。どっちの社員を登用すべきか分かりますよね?」だった。

「これはいい!」社員の目配り、気配り、他人への配慮を知るいい方法だと思った。

社員がそれをできるか否かは、会社経営の要諦でもあると思った。

ある日、私も長年経営する会計事務所で試してみた。

すると、二〇人の社員全員が跨いだ。ガッカリした。

「これからも、この事務所の経営は私がやらなければならないのか」と少し悲しい気持ちになった。私もそろそろ引退をしたかったのに……。