プロローグ
わずか15グラム──それは、小さな「ゴールデンボール」一つの重さ。
しかし、そのわずかな重みが、時に人生を、そして組織の運命さえも大きく揺るがすことがある。
本来ならそれは、男性ホルモンを分泌し、未来へ命をつなぐための器官。だが、僕にとってはそれ以上の意味を持っていた。
どんな人生にも必ず色がある。灰色に見えた日々にも、必ずどこかに小さな灯(ともしび)がともる。
生きていれば、何度も試練が訪れる。夢を諦めるのか、それとも立ち向かうのか。その瞬間、あなたはどんな心でそこに立つだろう。
昭和から平成、そして令和へと移り変わる時代の中で、どこか懐かしく温かみのある、おもちゃ箱のように賑やかな町で育った一人の青年。
周囲から「落ちこぼれ」と呼ばれながらも、医師としての第一歩を踏み出し、数多の悩みや葛藤、試練を乗り越えながら、確かな成長を遂げていく。
小さな誇りを胸に抱き、命と真摯に向き合い続けた、ひたむきで力強い人間ドラマが、ここから始まる。