ただ、どうしても横田基地の中に入って働いてみたい。それが無理なら留学の夢も途絶えてしまうかもしれない。これまた短絡的な発想で、ただ、真剣な思いで基地を囲む金網の外から、基地の中を恨めしい思いで覗き込んでいた。

そんな時、ついに声が届きそうな距離で横田基地の中を歩いている兵隊を発見。「基地内で働きたいのだけれど仕事はあるか?」と片言の英語で叫んでみた。プロ野球観戦をしている時に、好きな選手に向かって、「こっちを向いてくれ!」と大声で叫んでみても、なかなか振り向いてもらえない様子と似た雰囲気。

しかし、ここからがアメリカ人のすごいところで、金網越しに話を聞いてくれた上に、「関係者に話を聞いてきてあげるから、そこで待っていてくれ」(多分、英語でこう言ってくれた、と当時の自分の英語力で理解)と言って、横田基地内の建物の中へ。

もちろん、その日の回答は、「仕事はない」ということだった。しかし、まさに「念ずれば通じる」という言葉通り、紆余曲折を経ながらも、横田基地の中にあるお店の店員として採用が決定。

その後は横田基地で、2年間ほど「楽しくエキサイティングな」アルバイト。朝から晩まで基地内の兵隊や学生と交流し、英語の習得のみならず、貴重な体験を積むことができた。

一緒にバスケをしたり、筋トレをしたり、11月のサンクスギビングやクリスマスを一緒に過ごしたり。また、ちょうど当時は湾岸戦争の時期だったため、知り合った兵隊が戦地に派遣される姿も見た。

 

👉『人生の運転席に座る』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】40代半ば、自分が女であることを忘れて10年以上。デートや恋がしたくて、ネットで出会い系や交際クラブを探してみることにした

【注目記事】マッチングアプリで出会った男に騙され監禁。そこには複数の女性がいて、上の階からは「お願い、殺さないで」と懇願する声が…