【前回の記事を読む】先生に「しもた」と言わせるための、様々なトラップを仕掛け、思いのままに相手を操る姿は、現代に転生した軍師・黒田官兵衛のようで…
第2章
ん? ん?? ん??? この流れ。マコト、こいつ! 外道がぁぁぁ!!! 全部のせスペシャル欲しさに、とうとうゲリラ作戦に出やがった。『かめへん、かめへん』は、本来の意味である第一形態「構わない」が進化して、第二形態「構わへん」となり、最終形態「かめへん」に進化を遂げた進化系関西弁である。
マコトはウィダーインゼリーを持ち出して、噛むのか、噛まないのか、という議論を巻き起こして、『噛めへん、噛めへん』にすりかえて処理しようとしている。また、最近の田中先生がウィダーインゼリーを日常的に好んでごくごく飲んでいるという、誰が興味あんねん、という田中先生あるあるも全て計算したゲリラ作戦なのである!
それに勘付いた僕は「マコト、それはセコイぞ!」と罵声を浴びせたが、マコトは僕を無視して、ドリブルでペナルティエリア内に切り込む。
「田中先生は、よく、ウィダーインゼリー食べてはりますやん?」
先生は「せやな。あれ、便利で美味いねんなぁ」と返す。
「あれは、どうやって食べます? 噛んで食べますか?」
ゴール前に強引なドリブルで切り込み、ペナルティエリア内で鋭い無回転シュートを放ったマコト。田中先生が口を開く。マズイ! この感じはマズイ! 小林、タケ、僕の意識が先生の口元に集中。時が止まる。
そして……、「ウィダーインゼリーは……、噛まないで、飲むなぁ」
「噛めへん」不発!!! 危ない! 完全に危なかった。『かめへん、かめへん』の革命フレーズが出てもおかしくない局面。田中先生の天然ファインセーブがシュートを阻み、マコトは唇を噛んだ。
マコトが失速。ここしかねえと思った僕は小林を差し置いて、攻撃を仕掛けようとした。瞬間、委員長の美樹が田中先生に大きな声をかけた。