ここまでで言えることは、売上高当期純利益率と総資産回転率が高いことで高ROE企業を実現していることが、投資判断の重要な基準になっていることです。

私はアナリスト時代に、ロングオンリー投資家のグロースチームに呼ばれてプレゼンテーションをする際、彼らから高ROEのなかでも注目する企業がお題として事前に示され、今後3~5年間で、当該企業のROEが上昇すると思うかの質問を受けました。

明確な根拠と同時に結論を導いていくわけですが、私のプレゼンの後にチーム内で議論して投資判断を決定するのです。今でも覚えていますが、私の結論は極めてシンプルでした。

お題となった企業はコンテンツの会社だったので、プラットフォーム系の企業の競争が激化することで、ユーザーのプラットフォームの利用コストは下がり、結果、プラットフォーム自体の数が増えるので、総資産回転率にはプラス要因です。

さらに、有力なコンテンツを提供する企業の数はそう変わらないので、コンテンツ価格は高止まり、収益性も上昇するため、売上高当期純利益率にもプラスに働きます。

個人投資家がグロース投資家の手法から学ぶことは多いと私は思います。前に触れたバリュー株にもっと目を向けるべきではありますが、時間軸的には、バリュー株投資は5年以上の保有期間を覚悟すべきでしょう。

そのくらいなかなか上昇しないから、バリュー株なのです。それに比べて、グロース株は短期間で上にも下にも大きく変動します。

ROEの上昇が見込める企業は、長期間の時間軸でも株価の上昇は十分に期待できます。ただし、バリュー投資家が好むような銘柄と異なり(ここでは、わかりやすくバリュー株と称します)、利益確定の機会がバリュー株よりも多いということです。

保有していた株が好業績決算で短期間に大幅に上昇したとします。そこで、いったん利益確定するか迷うものです。

グロース投資家は一部を売却し、利益確定する場合があります。ただ、それは一定の時間軸のなかで、目標株価を定めていて、そこに到達した場合です。

もっとも、マクロ経済が不安定で、地政学的リスクが高まった場合は、儲かっている銘柄から利益確定を段階的に行い、ポジションをクローズすることもあります。

次回更新は3月18日(水)、8時の予定です。

 

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