耐えた! 危ない! 今のは、完全に危なかった。情けない奴、と、あかんたれはほぼ同義! 少しでも歯車が狂えば、ド泉州の先生は完全に『あかんたれ』と言っていた。マコトが撃った先制ロングシュートは惜しくもゴールポストに跳ね返された。

マコトは口の中に溜めた空気を、ぷうぅぅっと吐き出し悔しい顔をして、新婚さんいらっしゃいコケで木製椅子から転がり落ちた。クラスメイト達は床に転んだマコトを見て、僕らとは異なる事理を用いて笑った。

小林、タケ、僕は互いに目を合わせて、冷や汗をかく。委員長が「もう! そんなんいらんから! はよ、出し物決めようや」とちょけるマコトを睨んでイラりとした。

「ダンスとか、どうですか? なんか、仮装してダンスとか、面白いんちゃいますか? パフィーみたいな感じとか」と提案したのはクラスのお調子者女子の塚田だ。

彼女をトリガーとして、他のクラスメイトが次々と挙手をして案を出し始めた。委員長が仕切り、出された案を田中先生が箇条書きにして黒板に書きとめる。

仮装ダンス、宝塚歌劇団のパロディ劇、大喜利選手権大会、お化け屋敷、巨大迷路、ティラミス屋、ナタデココ屋、タピオカカフェ、たこ焼き販売、ポテト販売、お祭り縁日広場など、様々な案が列挙される。

好き勝手に案出しする生徒たちの意見をカッカッカッカッ、とリズムよく白チョークで黒板に書きとめる先生。先生が「あっ」と言い文字を書き損じた。そこに委員長が黒板消しを差し出す。黒板側を向き、僕ら生徒側に背中を向ける先生と委員長。

その瞬間、伊賀忍者を彷彿とさせる俊敏な忍者走りで、シャーッと前へ出て行く坊主頭。