【前回記事を読む】個人投資家が活用すべき、銘柄をじっくり選べる「インプット期間」――株価の変動が落ち着くタイミングは決算後の…

第2章 決算発表前後のアナリストの投資判断に学ぶ

外国人投資家ウェイトが上昇する局面に乗れるか

例外があるとすれば、特に欧米に多いのですが、ロングオンリーのなかでも長期のバリュー投資家が日本株に新規参入を検討するなかで、象徴的な銘柄、例えば、テック系でいえばソニーや任天堂などをポートフォリオに組み入れるかどうかを判断するため、かなり基本的な部分から詳細な財務分析にいたるまで、アナリストとディスカッションするケースでしょう。

こういったミーティングで訊かれる銘柄は、彼らが組み入れを決断すれば大きな買いが入り、株価の上昇要因となるからです。

これは、2023年3月~6月、同10月から2024年3月の大きな上昇が、海外ロングオンリーや海外ヘッジファンドの新規日本株組み入れによるところが大きかったためと考えられます。

決算が総じて好調で、為替が円安方向のコンセンサスの時には、同様の動きを期待してよいと思います。

アナリストの海外マーケティングとロングレポート

アナリストは、海外マーケティングに出かける前にアップデートをひととおり終え、マーケティングを終えて帰国後は、ロングレポートの執筆に入ります。

外資系証券の場合、オフィサーと呼ばれる役付きアナリストには、最低年2~3本のロングレポートの発行のノルマが課されます。

例えば、VP(ヴァイス・プレジデント)は2本以上、MD(マネージング・ディレクター)、ED(エグゼクティブ・ディレクター)は3本以上、といったものです。

もし、年末まで既定本数に達しない場合、ボーナス査定に影響することになります。ノルマのために無理やりレポートを出すのか、と読者から批判の声も聞こえそうですが、アナリストは日頃、事業会社への取材や業界動向を調査しているなか、投資アイディアを膨らませています。

ただ、新しい投資アイディアというのは、レポートの発行をもって初めて投資家に伝えることができますので、時間的な制約から必ずしもタイムリーに発行できるとは限りません。これは、セルサイドアナリストの激務が背景にあり、ジレンマでもあります。