【前回の記事を読む】AI時代の今必要なのは、〇〇と〇〇の連携。AIと人間の共通点・相違点を考えることの重要性を考える

本書では、以上のような問題意識に立って、第1章でまず私たちの生活に身近になっているAIを具体的にいくつか取り上げて、AIが次第に人間に近い存在になってきていることを見ます。それを通して、AIの基本的な類型と、それぞれの仕組み、原理に焦点を当てます。

第2章では、それらの原理を踏まえて、最近のAI脅威論をレヴューした上で、メディア論とコンピューター科学に照らした人間とAIの本質と、両者の共通性と違いは何であるかを考えます。そこから、知能と意識の問題が浮かび上がってきます。

第3章では、AIにも意識は宿り得るのかとの問いについて考えるために、まず人間が意識を持っていることに伴う「間主観性」と、「自由意志」の問題について取り上げます。

そして、意識の問題に関わる主な理論を、それぞれの類型に沿ってレヴューします。そこから意識の「ハードプロブレム」と情報との関係に行き着きます。

第4章では、情報と人間との関係にさらに多角的な視点からフォーカスします。AIの発達に伴って情報が激増している現状を見た上で、それが今後の世界と人間にとって持ち得る意味を探究します。

そのために最新の情報理論と、「情報エントロピー」の概念を含む物理学を参照し、意識の問題にも立ち戻りつつ、最後に試論的な展望を提起します。